番外編 はむはむヘヴン ホワイト・ディ編(和啓ver.)

  「どうしよう・・・」
  俺は天パンを見て茫然としてしまった。
  今日はホワイト・ディなので、俺は朝から和希ハムに渡すクッキーを作ってた。手際が悪くて大変だったけど、アーモンド・パウダーの入った香ばしいクッキーを目指した。なのに、出来上がったクッキーは輪郭が真っ黒に・・・焦げてた。俺は作業台に天パンを置くと、恐る恐る一つ摘んでみた。
  「・・・」
  不味くはないけど、焦げた部分はやっぱり苦かった。午後には帰ると言ってたから作り直す時間はもうないし、どうしよう・・・そう思ったとき、玄関のドアが開く音がした。俺は咄嗟に背中で天パンを隠した。
  「ただいま、啓太ハム、何かお菓子でも作ってるのか?甘い匂いが向こうまでするよ」
  和希ハムがキッチンに入って来て言った。
  「おかえり、和希ハム・・・うん、クッキーを作ってたんだ」
  「啓太ハムの手作りクッキーか。美味しそうだな」
  嬉しそうに和希ハムは微笑んだ。
  「そうでもないよ。ほら・・・」
  俺がそっと脇へ退くと、和希ハムは白い包みを手に天パンを覗き込んだ。俺は居た堪れなくなって小さく俯いた。
  「綺麗に焼けているよ、啓太ハム」
  「ううん、焦げてる。こことか、こことか・・・」
  クッキーを一つずつ指差す俺の頭を和希ハムがふわりと撫でた。
  「このくらいは味の内だよ」
  「でも・・・」
  その言葉に納得しない俺を見て、和希ハムは持ってた包みを開いた。中には透明な器に入った白いマシュマロが入ってる。
  「クッキーにするか悩んだけれど、これにして良かったよ」
  そうして戸棚からフォンデュ用の長いフォークを取り出した。俺が不思議そうに見てると、和希ハムは先端にマシュマロを一つ刺してコンロで炙り始めた。直ぐに表面が溶けて火が点く。
  「か、和希ハム!」
  「大丈夫」
  和希ハムは落ち着いた様子で軽く火を吹き消した。何度かそうやって、和希ハムは万遍なくマシュマロを焼いた。
  「このくらいで良いか。はい、啓太ハム、俺からは焼きマシュマロ。熱いから気を付けて」
  「有難う」
  俺はフォークごとマシュマロを貰った。火が点いたせいか、所々焦げてる。でも、甘い匂いに誘われて俺は熱いマシュマロに慎重に口をつけた。
  「あっ、美味しい」
  外はカリカリで、中はとろ~り溶けたマシュマロの食感は暫く癖になりそうだった。焦げたとこは少し苦いけど・・・うん、今ならわかる。これも味の内。
  「和希ハム、俺のクッキーも食べて」
  「有難う、啓太ハム」
  和希ハムは嬉しそうにクッキーに手を伸ばした。それから後は俺達だけの秘密の時間・・・♪

Comment


        

09 | 2017/10 | 11

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
カウンター
検索フォーム
月別アーカイブ
09  08  07  05  03  02  01  12  11  09  06  05  03  01  12  11  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  03  01  12  11  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01 
The Garden
QR