番外編 はむはむヘヴン 啓太ハムBD編 (中啓ver.)

  「あっ、またあった!」
  俺は野原の片隅で野苺を集めてた。
  中嶋さんハムと一緒にピクニックに来たら野苺が群生してるのを見つけた。苺好きの俺としては、これを見逃すことは出来ない。早速、弁当を入れてきたバスケットを持って摘み始めた。あっと言う間に籠一杯になって俺は大満足。見て下さい、中嶋さんハム・・・と俺は振り返った。
  「・・・中嶋さんハム?」
  てっきり後ろにいると思ってた中嶋さんハムがいない。俺はキョロキョロと辺りを見回した。
  「・・・」
  ここは俺達の様なハムのいる場所からは少し遠い野原。どちらかと言うと人の世界に近い。だから、俺一人では絶対に来ないし、来てはいけないと中嶋さんハムから言われてる。そんな危険な処で、どうやら俺は迷子になってしまったらしい・・・
  「中嶋さんハム・・・中嶋さんハム・・・!」
  俺は大きな声で叫んだ。でも、中嶋さんハムの冷たく優しい声はしない。どうしよう。俺は徐々に不安になってきた。そのとき、俺の耳が人の足音を聞き取った。
  「・・・!」
  ハッと空を見上げると、山の様に大きな人が俺の方へ近づいて来るのが見えた。
  「な、中嶋さんハム・・・!」
  怖くて足が竦んでしまった俺は、ただ呆然とその人を待ってた。人に捕まったら、もう中嶋さんハムには逢えないのかな。そんなことを、意識の遠くでぼんやりと思いながら・・・
  「啓太ハム!」
  「わっ・・・!」
  突然、俺は誰かに手を引っ張られた。ぽすんっと俺を包む温かい腕。中嶋さんハムは俺を連れて素早く背の高い草陰に隠れた。暫く息を潜めてると、人は俺達を通り過ぎて向こうの方へ行ってしまった。俺は、ほっと胸を撫で下ろした。同時に中嶋さんハムにまた逢えた嬉しさに涙が溢れてくる。
  「中嶋さんハム、中嶋さんハム・・・!」
  キュッと胸にしがみつく俺を中嶋さんハムは何も言わずに抱き締めてくれた。いつもなら、ぼんやりしてるからだ、と言って不機嫌そうに眼鏡を押し上げそうだけど。きっと俺が凄く怖かったのがわかってるから。そして、多分・・・中嶋さんハムも怖かったから。
  この広い世界で俺はただの小さなハムだけど、愛し愛される幸せを知ってる。俺達が怖かったのは人ではなく、もう二度と互いに逢えなくなること。二人の響きが一つになって奏でる、この無言の調べを失ってしまうことだった。
  「ごめんなさい、中嶋さんハム」
  クスンと鼻を鳴らす俺の上に少し優しい中嶋さんハムの声が降ってきた。
  「普段ならお仕置きだが、今日はお前の誕生日だから大目に見てやる」
  「・・・はい」
  クスッと俺は笑った。少し捻くれた言い方だけど、誕生日おめでとうの代わりらしい。
  「有難うございます、中嶋さんハム」
  そうして、どちらからともなくキスをした。それから後は俺達だけの秘密の時間・・・♪

Comment

小さなハムでも想いは無限大ですね

夢中になって野苺を集めている啓太ハムがかわいいです~(*^_^*)
ハムから見た人間はとてつもなく大きく怖い存在というとこら辺は、ふとガンバの冒険と言うアニメを思いだしてしまいました。

中嶋さんハムに助けられた啓太ハムのしがみついてる姿が、また愛らしく中嶋さんハムでなくても、ぎゅっとしたくなってしまいます。
ちょっと怖い思いをしましたが、ラヴラヴな誕生日ですね。

2009/05/08 | pote[URL] | Edit

あの頃は・・・

和啓ver.と同じ野原ですが、少し状況を変えてみました。想いは大きくて立派ですが、中嶋さんハムにギュッと抱き締めて貰いたかっただけの話かも(笑)

元ネタは、ハニーが掌サイズだった頃、大切に可愛がってあげたいだけなのに人に慣れていなくて震えていたことです。それが、今では人を人とも思わぬ悪逆非道の数々です。手の甲や手首に怪しい傷が一杯です(笑)

2009/05/09 | Grace[URL] | Edit

        

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