The Garden

猫の管理人が主の趣味を徒然なるままに綴りました

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ゆっくり復帰~♪

復帰第一弾として久しぶりにヘヴンSSを仕上げました。少々人騒がせな出来事を啓太に当て嵌めた、題して・・・


実録ヘヴン



第四話 お騒がせ滝編
  三時限目の途中から出席しようと道を急いでいた和希の横を一台の自転車が猛スピードで駆け抜け、少し先で旋回して止まった。
「遠藤、こないな処で暢気に何してるんや!」
  滝が批難する様に叫んだ。えっ、と和希は驚いた。篠宮ならいざ知らず、滝に遅刻を咎められるとは全く思ってもいなかった。軽く頬を掻く。
「何って、これから授業に出ようかと・・・」
「アホ!そんなんどうでも良い!啓太が行方不明なんや!」
「何だって!?」
  思わず、和希は声を荒げた。どういうことだ、と訊く前に滝が一気に話し始めた。
「昨日、俺は啓太から今日の一限は休講やって聞いたからデリバリーの手伝いを頼んだんや。それやのに、啓太は待ち合わせ場所に来んかった。仕方なく俺は一人で仕事やって、二限が始まる前に文句を言おう思って電話したんや。けど、繋がらんかった。それで、ちょっと気になって啓太のクラスを覗いたら、今日は休みやって言われてな。案外、部屋で倒れてたりしてな~って心配になって寮に様子を見に行ったんや。だけど、幾らドアをノックしても返事がない。どうやら啓太は昨夜から部屋に帰ってないみたいなんや」
「そんなはずは・・・」
  即座に和希はそれを否定した。
  確かに昨夜、啓太はそこにはいなかった・・・隣にある自分の部屋にいたのだから。この数週間、互いに忙しかったので久しぶりに二人で過ごす夜に自然と身体が熱くなってしまった。和希としては啓太の疲れが溜まっている様に見えたので無理をさせたくなかったが、恋人に求められてどうして理性を保つことが出来よう。いつしか口唇が重なり、指を深く絡めて・・・啓太が意識を取り零す様にして眠りに落ちたのは明け方近くになった頃だった。それから和希も暫く寝て、午前の仕事をしにサーバー棟へ向かったのが七時。そのとき、啓太も自室へ戻ると言って起きた。
「啓太が無断外泊をする訳ないだろう。多分、俊介のノックに気づかないで、まだ寝ているだけだと思うよ」
「それはあり得へんわ。俺、めちゃめちゃ叩いたんやで。あまりに煩くて通り掛かった奴に怒られたくらいや。それにな、遠藤、啓太は幾ら寝起きが悪い言うても今まで約束をすっぽかしたことはないんや。未だに連絡もないし・・・これは完全に行方不明や!」
「・・・」
  滝の言うことはあまりに主観的だったが、一理あった。和希はポケットから携帯電話を取り出すと、登録してある啓太の番号を押した。暫く呼び出し音が続いた後、機械的なアナウンスが聞こえてくる。お掛けになった電話は・・・
「どうや?」
「・・・駄目だ。電源が切れている」
「やっぱりか。一体、啓太の奴、どこに行ったんや」
  キョロキョロと滝は辺りを見回した。和希の胸に嫌な予感が広がってゆく。
「俊介、もう一度、啓太と約束した場所へ行ってくれないか。もしかしたら、寝坊した啓太がそこで待っているかもしれない。俺は啓太の部屋へ行って中を確かめてみる」
「う~ん、あの音で寝てられるとは思えないけど、啓太やしな。万が一ということもあるか。わかった。そっちは頼むで」
「ああ、啓太が見つかったら、直ぐに連絡するよ」
  そう言うと、和希は寮へ向かって走り出した。

  啓太の部屋の前に着くと、和希は辺りに人影がないのを確かめてマスター・キーを取り出した。そっと鍵を開ける。室内はカーテンが閉まっているので酷く薄暗かった。
「啓太、まだ寝ているのか・・・?」
  和希は真っ直ぐベッドへ向かった・・・が、そこには誰もいなかった。啓太のことだから二度寝するだろうと思っていたのに、ベッドは綺麗なまま。いや、そもそも、部屋に戻った形跡すらなかった。
「啓太、一体、どこへ・・・」
  そのとき、ポケットのなかで携帯電話が震えた。滝の名前が表示されているのを見て、和希は素早く通話ボタンを押した。
「俊介、啓太が見つかったのか!?」
『遠藤、大変や!啓太がひき逃げされて意識不明や!』
「なっ・・・!」
  一瞬、和希は絶句した。しかし、そんな事故があった報告は受けていなかった。学園島で車が通る場所と言ったらサーバー棟の地下駐車場から跳ね橋へと続く道しかないが、啓太が朝からそんな処に行くとも思えない。何か変だ・・・
「今、啓太はどこにいるんだ?」
『どこって・・・え~っと、西園寺総合病院やな』
「・・・俊介」
  和希は眉を顰めた。啓太の安否を弄ぶなど冗談にしては質が悪過ぎた。俺を怒らせたいのか、と訝っていると、別の声が聞こえてきた。
『滝君、病院では携帯電話の電源は切って下さいね』
「待っ・・・!」
  そして、唐突に通話は切れてしまった。
  和希は廊下に飛び出すと、急いで上の階へ向かった。滝が居場所を掴んだということは啓太はまだ学園内にいることを意味していた。それに、どうやら会計部の二人も絡んでいるらしい。なら、啓太の居場所は自ずと限られてきた。滝の言葉から推測するに・・・
「七条さん、そこを退いて下さい」
  西園寺の部屋の前に立つ七条に和希は苛々と言った。しかし、七条は静かに首を横に振った。
「申し訳ありませんが、今は面会謝絶です」
「冗談はやめて下さい」
「冗談ではありません。今の伊藤君には安静が必要なんです」
「・・・!」
  その言葉に和希は小さく息を呑んだ。逸る心を抑え、冷静にゆっくりと尋ねる。啓太は、無事なんですか・・・?
「はい、滝君の言ったことは全部が全部、嘘ではありません。実際、伊藤君を最初に発見した人はひき逃げと思ったそうですから」
「啓太はどこにいたんですか?」
「ロビーにある自動販売機の椅子の傍に倒れていました。丁度その時間は食材を積んだ台車が頻繁に出入りしていて、生徒が轢かれているという声を海野先生の手伝いを終えて帰寮した郁と僕が聞きつけました。伊藤君は完全に意識を失って、床の上でぐっすり眠っていましたよ。余程、疲れが溜まっていたのか・・・あるいは、大人気ない誰かさんがかなり無理をさせたのか」
  七条は冷ややかに和希を見やった。
(啓太・・・)
  内心、和希は天を仰いだ。
  自分でも昨夜は啼かせ過ぎたと少し反省していた。恐らく部屋へ戻ろうとして喉が渇いた啓太は飲み物を買いにロビーに行ったのだろう。そして、椅子に座って飲んでいる途中で寝てしまい、やがて床に崩れた。その衝撃(ショック)でも起きないのは啓太らしいと言うか、そこまで疲れさせてしまった俺の責任と取るべきか・・・
  しかし、そんな葛藤はおくびにも出さず、和希は真剣な顔で言った。
「俺への文句なら後で幾らでも聞きます。とにかく啓太に会わせて下さい」
「先ほども言いましたが、今は駄目です・・・郁と寝ていますから」
「えっ!?」
  最後に付け加えられた言葉に和希は僅かに目を瞠った。七条が軽く首を傾げた。
「幾ら郁の部屋でも、ベッドは一つしかありませんよ・・・伊藤君が他の男と寝るのは焼けますか?」
「・・・」
  態と意味ありげな言い方をする七条を和希は睨みつけた。
「俺を挑発しても無駄ですよ。啓太が疲れて眠っているなら、起きるまでここで待ちます」
  すると、ふふっ、と七条は笑った。
「それを聞いて安心しました。郁の睡眠を邪魔するなら相応の報いを受けさすつもりでしたが、どうやら問題は平和的に解決出来た様です。実は先ほどから滝君の話を聞いた人達が入れ代わり立ち代わり郁を訪ねて来るので困っていたんです。では、この場は遠藤君にお任せして僕はこれで失礼しますね。昨日は殆ど徹夜でしたから、もう眠くて・・・」
  小さな欠伸を一つすると、七条は悠々とそこから去って行った。
(・・・嵌められた)
  和希は密かに呟いた。
  啓太の身を案じてとはいえ、西園寺を訪ねられる者など限られていた。嫉妬に身を焦がしながら、学園のそうそうたる面々を相手にしなければならないとは。これが恋人を愛し過ぎた報いなのだろうか。しかし、それで啓太を護れるなら・・・と和希はドアの前で気を引き締めた。
  そんな和希の苦労も知らず、啓太は未だ夢の中・・・
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Happy Birthday♪

今日は啓太の何回目かの誕生日です。おめでとうヽ(*⌒∇⌒*)ノ::・'゚☆。.::・'゚★。.::・'゚☆。

最近、オチを知ったらどっと疲れた出来事があったので実録ヘヴンを書いています。近日中にUP出来ればと思っています(汗)和啓なのですが、どっちにするかで(目下、意味不明ですね)深刻さが大きく変わるので穏便な啓太にしました。いや、実際、あれが和希だったら大変でしょう。さあ、連休中に頑張れ、私!
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